07 Jun 透明度と透視度
こんにちは!よしです。 ブリーフィングの際、“今日の透明度はどれくらいですか?”とか、ダイビングが終わってログ付けをする際、“透視度はどのくらいでしたか?”とガイドやインストラクターに聞いたりしますね? ダイビングにおいては透明度と透視度を水中における方向で使い分けていることが多いです。 まず透明度。ダイビングにおいては水中で上下方向にどのくらい視界が利くかを表しています。 学術的には、直径25~30cmの白色の円板(透明度板又はセッキー円板と呼ばれるもの)を水中に沈めていき、識別できなくなる深さを表すそうです。日本の湖で最も透明度が高いのが摩周湖(北海道)で、17.2m(2015,8)。ちなみに1930年には41.6mを記録し、当時の世界記録でした! 世界では、バイカル湖(ロシア)は未だに40m以上の透明度を保っています。海ではパラオのロングビーチ、パナマのサンブラス諸島、そしてイタリアのランペドゥーサ島などが透明度が高いです。中でも、ランペドゥーサ島の海は透明度が高すぎてボートが宙に浮いて見えるそうです!すごいですね。 透明度の良し悪しに関する因子はいろいろあるようですが、一番大きな理由は植物性プランクトンと動物性プランクトンが存在するバランスに影響されます。 植物性プランクトンは光合成をする必要があるため、沿岸などの浅い水域にいて、緑色や茶色をしています。また、動物性プランクトンは透明です。つまり、植物性プランクトンが多いと水が濁り、少ないと透明度が上がります。マンボウが観察できるダイブサイトでおなじみのヌサペニダ島周辺を例に挙げますと、ちょうど今頃まで(~5月) 水温25~30℃、透明度10~20mだったものが、6月に入ると水温が20℃以下に下がり、透明度は20m以上に上がります。これは浅い水域の植物性プランクトンを含んだ水が、深海から湧き上がってきた動物性プランクトンを含んだ水に押し流されるためです。それによって冷たい深海で過ごすことの多かったマンボウも水面近くによく現れるようになり、ヌサペニダ海域でマンボウを見ることができるのです。 透明度については、ボートダイビングで水面が穏やかな時はボートの上から水底を見えるかチェックしたり、潜ってからダイブコンピューターで深度を確認して上を見上げています。 一方で透視度はダイバーの進む水平方向の見え方を表すものです。透視度についての学術的指標は、透視度計という道具を使い、透視度計に濁水を入れて、上からのぞきながら下方のドレンコックを開き、少しずつ水を抜いていって、底に表示してある二重十字が見えた時の水の高さで表します。ダイビングにおける測り方は目視で、地形、水中のランドマーク(沈没船など)や他のダイバーとの距離などを参考にしてお知らせしています。 ダイビングにおける透明度、透視度は目視によるものなので、自分なりに測ってみてガイドやインストラクターと比べてみてはいかがでしょうか?