シグナルフォート / 水面マーカーブイ(SMB)の使い方
最近のPADIオープンウォーターダイバーコースでは、最初のダイビング講習からシグナルフォート / 水面マーカーブイ(SMB)の使い方を学ぶ機会が増えています。なぜなら、SMBはダイビング中の安全を確保するための重要なツールだからです。例えばバリ島であれば特に、流れの強いヌサペニダのドリフトダイブでは、必須のアイテムともいえます。
私自身、初めてSMBを使ったのはダイブマスターコースのときでしたが、そのときは正直なところ、かなり不安でした。足にラインが絡まり、逆さまに引っ張られて水面に浮上してしまうのではないかと心配だったのを覚えています。
しかし、正しい方法で使えば、安全かつスムーズにSMBを展開することができます。ここでは、SMBを使いこなすためのポイントを紹介します。
必要なもの
- シグナルフォート / 水面マーカーブイ(SMB)(種類は後述)
- リールまたはスプール(最低15mのラインが必要)
- フィンガースプールがおすすめですが、使いやすいものを選びましょう。
- SMBに直接ついている細いラインは絡まりやすいため、専用のリールを使用すると安全です。
SMBの種類
現在、一般的に使われるSMBには大きく分けて2種類あります。
- オープンボトムタイプ(開放式)
- ワンウェイバルブタイプ(逆流防止バルブ付き)
今回は、より一般的なオープンボトムタイプについて説明します。
オープンボトムSMBは、下部に開口部があり、そこから空気を入れて膨らませる仕組みです。特に「ノースピルデザイン(空気が漏れにくい構造)」のものは、水面で空気が抜けにくく、シグナルとしての役割をしっかり果たしてくれます。通常、SMBの底には金属製のOリング付きのナイロンロープがあり、これをダブルエンドクリップでリールに固定します。
SMBの正しい使い方
- 水深5m(安全停止の深度)まで浮上し、中性浮力をとる。
- これが最も重要なステップです。
- SMBを取り出し、軽く膨らませる。
- レギュレーターの排気から少量の空気をSMBの開口部に入れます。
- これにより、SMBが立ち上がり、扱いやすくなります。
- 方法:
- 頭を右に傾ける
- SMBを顔の左側に持つ
- 指で開口部を押さえ、吐いた空気をキャッチする
- リールを解放し、準備を整える。
- リールのロックを解除し、スムーズにラインが出るようにする。
- オルタナティブエアソースでSMBを膨らませる。
- 口元の高さでSMBの開口部を開き、オルタナティブエアソース(予備のレギュレーター)を使って空気を入れる。
- ポイント:
- オルタナティブのマウスピースは水平に向けること。
- 垂直にするとフリーフロー(暴走)が発生する可能性がある。
- 充填時は、オルタナティブエアソースがSMBに絡まらないよう注意する。
- SMBを水面に送り出す。
- SMBが上昇する際に発生する浮力を抑えるために、息を吐きながらリリースする。
- もしトラブルが発生した場合は、SMBもリールもすぐに手放し、安全を優先する。
- SMBをしっかりと立たせる。
- SMBが水面に到達したら、ラインを軽く引いてテンションをかける。
- これにより、SMBが直立し、視認性が向上する。
追加のアドバイス
✔ 初めて使う場合は、プールや穏やかな環境で練習するのがおすすめ。
✔ もしSMBがうまく膨らまない場合は、慌てずにもう一度やり直す。
✔ 水中でトラブルが発生したら、無理をせずに安全に浮上して対処する。
まとめ
SMBは、特に流れのあるダイビングスポットでは非常に重要な安全装備です。正しく使いこなせるようになれば、ダイビングの安全性がぐっと高まります。練習を重ねて、自信を持って使えるようにしておきましょう!
ブルーシーズン・バリでは、SMBを使ってダイビングする、ドリフトスペシャルティコースも開催しています。
ぜひ、ご興味のあるかたはお問い合わせください。
安全なダイビングを楽しみましょう!😊